レポート

「地域で事業成長するために必要な社会性と経済性の両立とは」-O-GROWTH TALK “Social GROWTH”~書き起こしレポート vol.1~

※この記事は「地域で事業成長する為に必要な社会性と経済性の両立とは」-O-GROWTH TALK ”Social GROWTH”- ~書き起こしレポート~ vol.1です

実際の動画はこちら

木原真理子(以下、木原):皆さんこんにちは。
大分県の多様な事業成長を支援するアクセラレーションプログラム「Oita GROWTH Ventures」のオンラインライブ「O-GROWTH TALK」を始めていきたいと思います。
今回は、Oita GROWTH Venturesで提唱している3つのGROWTHの中から「Social GROWTH」をテーマに「地域で事業成長する為に必要な社会性と経済性の両立とは」というタイトルで進めていきたいと思います。
今回お招きしているのは、経済産業省 中国経済産業局 地域経済部イノベーション推進課 イノベーション推進・スタートアップ支援担当係長 J-Startup WESTファウンダーの仲田さんになります。
仲田さんの方から自己紹介をお願いします。

仲田 亮氏(以下、仲田氏):はい、ありがとうございます。
経済産業省の、広島にあります、中国経済産業局の仲田と申します。僕は岡山県岡山市生まれということで、瀬戸内で生まれました。高校を卒業して、大学から広島に住むことになり、そのまま広島で中国経済産業局という、経済産業省の広島支店みたいな組織に就職しております。

色んな仕事をしつつ、令和元年度からは経済産業本省にも出向させていただいて、地域や社会の問題をどうやってビジネスの力で解決していくのかということを、霞が関でも研究して、今こちら(広島)に戻ってきてから、地域のスタートアップの皆さんの応援をしていくJ-Startup WESTという取り組みをさせていただいていたり、あとはインパクト投資など、最近のトレンドについても普及啓発をさせていただいています。冒頭の「スタートアップ」ってどういう人たちのことを指してるんだろうというのを我々としても定めておりまして。

端的に言うと、急成長する組織、組織の形態を指していると我々は理解をしています。
そして、急成長する組織であれば、組織の規模、設立年数等にかかわらず「スタートアップ」に該当するということを東京大学の関係機関も言っているんですけれども、諸説あります。

スタートアップ、ベンチャー企業に対して、これこそが唯一無二の正解であるっていうのは実はあまり存在していなくて、諸説ある中で、我々はこういう文脈・説明が、より中国経産産業局としてビジョンが近いなということで採用しています。

ベンチャーというと新しい取り組みへの挑戦なので、ベンチャーは新しい取り組みを指していて、 スタートアップは、組織の1つの形態を指しているというのが我々の仕事の上での共通見解になっています。

その上で、我々は経済産業省として、J-Startup という、我が国の本当に素晴らしいユニコーン企業候補の皆さんを 240社程、官民連携で支援していく為にお選びしています。
そして他方で240社程選定した企業というのは、基本的に、例えば東京の都内であったり、京阪神、名古屋、愛知であったりですね、大都市圏に基本的には多くセレクションされている。
これが当然、地域でも素晴らしいスタートアップの方はいらっしゃるよねということで、地域版というものを作って、各地域ブロックそれぞれに素晴らしいスタートアップの皆さんを応援していこうじゃないかというセレクションの制度があります。

我々も、J-Startup WESTということで、ピンク色のロゴマークにして作っているんですけれども、昨年から、四国、香川県高松市のですね、四国経産局さんと一緒にこのJ-Startup WESTの制度を進めさせていただいています。中四国の経済産業局と、それからニュービジネス協議会と申しまして、地元の企業さんたちが素晴らしい製品やサービスを開発されたり販路拡大をされる時に表彰をしている団体がございまして、こういう方々と一緒に中四国4つの団体が事務局として活動させていただいていて、そこにぜひ瀬戸内、中四国のスタートアップを応援させてほしいというお志をいただいたサポーターズの皆さんにご登録をいただいて、この後簡単にご紹介しますけれども、33社の中四国地域のスタートアップを応援するというコミュニティを作っています。

今日、九州経済産業局ではなくて広島から中国経産局がお邪魔をしているのは、真理子さんの会社にもこのサポーターズに御登録をいただいているということで、そのご縁もあって事業協力という形でお邪魔をしております。宣伝になって恐縮なんですけれども、中四国の地域外の皆さんでも、真理子さん達のように是非地域のスタートアップを盛り上げたいんだという方がいらっしゃったら御登録いただけるのでよろしくお願いいたします。

我々もJ-Startup West選定企業さんを募集させていただいていて、そして選定企業の基準として、社会的インパクト=「スタートアップの皆さんの製品・サービスによってどんな地域社会の問題が解決できるんでしょうか」というのを、応募いただく書類の中で皆さんに書いていただいて提出いただいております。

これが経済産業省のJ-Startup の制度のセレクションの中では我々が最初に基準の中に加えたということになっています。地域社会に対するインパクトを我々地方の経産省の視点としてもしっかりセレクションさせていただきたいというメッセージもしっかり載せて選定基準にしています。要するに、スタートアップ、ユニコーンと呼ばれる方々も、地域・社会課題の解決と成長の両立を目指していくインパクト・スタートアップと呼ばれる皆さんも、本当に素晴らしいですし、我々中四国として応援をさせていただきたいというのが我々の制度のデザインになっています。

中国地域22社、それから四国地域11社の企業を今までにセレクションをさせていただいていまして、中国地域に関しては絶賛今追加企業の セレクションの公募期間中でありますので、御関心があれば「J-Startup West」で検索いただいて、ご覧いただければと思っています。

直近のイベントで行くと、先月真理子さんにもお出ましをいただいて、全ての地域版のJ-Startup WESTのセレクション企業だったり、サポーターさんだったり、地域のイノベーションって本当に素晴らしいと、お互いの地域のイノベーションの担い手だったり、それをお支えしてるサポーターの皆さんだったり、こういった全ての、お互いの地域コミュニティ同士でリスペクトを捧げて盛り上がっていこうじゃないかというイベントも先月はさせていただきました。

200人近い本当に多くの地域の皆さんのお志をいただいたところです。我々は中四国の地域から社会・地域を変えていくスタートアップの皆さんを応援したいと思っていますし、そういった地域スタートアップを応援したい方々の為の架け橋にもなっていきたいなと思っています。

岡山県の瀬戸大橋の写真を出してますけれども、 まさに我々の中国と四国の地域の架け橋をしているわけですね。我々のコンセプトイメージとして、地域と地域、地域と日本全体、場合によっては地域から世界全体に繋がっていけるようなブリッジになっていきたいというのが我々の取り組みです。ちょっと長くなりましたけれども以上です。

木原:ありがとうございます。今日、広島から来ていただいたんですけれども、今回のテーマである、社会性と経済性の両立ということを考えた時に、このJ-Startup 地域版というのが今7つありますが、それぞれに選定基準をお持ちの中で、J-Startup WESTさんは、「(ソーシャル)インパクト」という、社会にどれだけ貢献できるかとか、地域にどれだけ貢献できるかという基準も持って選定されているっていうことがありまして、今回お呼びさせていただきました。

スタートアップという言葉を聞いた時に、特に社会性の高い事業をされている方って、「スタートアップではないよ」とか「ベンチャー企業と言われても、ベンチャー企業じゃないよ」って感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、今、スタートアップという定義も凄い多様化していまして、ベンチャー企業という定義も多様化している中で、ビジネスで社会貢献をするとか、ビジネスという手法を使って地域に貢献しようとしている企業さんとか、そういった良い事例も増えて来ているなというふうに思うんですね。

そこで今日は、起業家にも支援者の方にも御覧いただいていると思いますので、皆さんにとって今困っていることや悩んでいることの解決のヒントになることだったり、もしくは、今、日本全体や世界の中でどういう流れが起きているのかということも知っていただいた上で、皆さんが事業を成長させていく、もしくは活動を広げていく中の気づきだったり、新しい視点として取り入れていただければと思っています。

では、ここからトークセッションに入っていきたいと思うんですけれども、「社会課題の解決とビジネスの両立」について、この言葉自体がまだ馴染みが少ないかもしれないんですが、社会の課題を今までだったら、例えばNPOであるとか社団法人とか財団法人とか、もしくは行政が、地域の課題や社会の課題を解決しているという一般的なイメージも多かった中で、今、例えば株式会社であるとかビジネスで社会性と経済性を両立させながら事業していこうという人達が増えてきていると思うんですが、この社会課題の解決とビジネスの両立を叶えていく時に、どういう視点が必要なのかという話をしていこうかなと思います。

実際に例えば、J-Startup WESTの選定企業さんの中で、地域への貢献とか社会貢献とか、とはいえビジネスとして両立しているような企業さんや、それを目指してるような企業さんの事例があればちょっとお伺いしたいんですけど、何か良い企業さんはありますか。

仲田氏:はい、ありがとうございます。中国地域の22社ということで、今ご覧いただける通り、岡山が実は10社あります。

大分県さんにも負けると劣らないコミュニティが岡山にもありまして、金融機関さんとか商工団体さんとか、あとは先輩の起業家さんとかが、後輩の起業家を一生懸命応援したりとか、ビジネス上の壁打ちの相談に乗ったりとか、結構そういうことも盛んに行われていて、コミュニティの結束力も強く、そういうところから合計10社の方々をJ-Startup WESTのセレクション企業として実はお招きをしています。

木原:この中には、いわゆる急成長型のスタートアップと呼ばれるような方もいれば、地域課題とか社会課題の解決とビジネスを両立させようと考えていらっしゃる方も両方入っているんでしょうか。

仲田氏:はい、まさにおっしゃる通りで、ユニコーンに近いようなIPOやEXITを狙って急加速で事業成長を目指していくという方もいますし、それとは違って、地域や社会の問題と自分たちの事業成長をちゃんと両立を図っていきたいという方々もいらっしゃいます。

面白いのがですね、元々IPOとかユニコーン企業になるんだっていうことで伴走支援を受けてきたけれども、J-Startup Westのコミュニティの中でインパクト・スタートアップという流派もあるとことを知って「私はこっちの方がむしろいいかも」と思い、事業成長のいわゆる財務リターンの部分だけじゃなくて、インパクトスタートアップ化していきたいという志を持ってくださった経営者さんとかも実は出てきていたりもしています。

木原:インパクト・スタートアップという言葉が初めての方もいらっしゃるかもしれないんですけど、インパクト・スタートアップってどういう成長・どういう企業なんでしょうか。

仲田氏:そうですね。もちろんスタートアップなので、先ほどもご紹介をした通り、順調に事業を成長させていきたいというお志をお持ちでいらっしゃいます。それと自分たちの会社の製品やサービスと地域とか社会とか、あるいは立地されてる地域の市民さんなど色んな方々との相関関係って一体どうなってるんだろう、自分達のビジネスが順調に成長していった暁には、経済効果だけではなくて、地域の農地とか農業の問題なのか、あるいは建設業界の問題なのか、自分たちと社会にとっての良い効果を与えていけるかということも非常に大事にしているスタートアップ、これがインパクト・スタートアップと呼ばれる新しい流派だと思っていただいていいのかなという風に思っています。

木原:先程、「社会的インパクト」という説明が仲田さんから事業紹介の中であったんですが、 地域社会に対するインパクトというものを、今までだとかなり抽象的にぼやっとした形で、「地域に貢献したい」とか「社会の為に」とか「社会の課題を解決したい」というミッションや経営理念として持っていたような人達も、じゃあそれが具体的に誰に対してどういう風に貢献できるのかとか、誰に対してどういう価値があるのかというのを定量で数字にできるものもあれば、定性的な部分、例えば、何か気持ちの中でどれだけポジティブになる影響があるかということなども含めて示していくというのが一つ大きな流れで。

これは日本だけじゃなくて世界でも社会性が高い事業に対して「インパクト」というもので評価をしたりとか、 抽象的ではなく、より具体的に事業の貢献価値をしっかりと示していこうという流れがあるっていう理解でいいですかね。

仲田氏:そうですね。広島県の具体事例も交えながらお話ししますけれども、例えば広島県のナオライ株式会社さんっていうのがですね、「浄酎」というブランドの新しい日本酒の飲み方を提案してまして、ウイスキーとかジンとかみたいに日本酒を蒸留して度数を高めてより付加価値が高いお酒にしていくということをしてます。

これを、国内とか、場合によっては海外にも販路開拓をしていくというインパクト・スタートアップ候補であるとお話ししていいかと思っています。この背景には、日本酒ってなかなか高いお値段で売りづらいお酒の種類とかがあるので、杜氏さんとか酒蔵さんとかの所得がなかなか上げにくいという側面もあると社長様から聞いています。なので、より蒸留をして付加価値の高いお酒にしていくことで、日本全国の酒蔵さんにとっての経営の持続可能性などを一緒に解決していくことができないかとおっしゃっていました。

そして広島ってレモンが有名です。瀬戸内レモンなどとよく言いますけれども、レモンのリキュールなんかも作られていて、そこでヘルスケア用の製品成分が出てくるらしいんですね。そういうものを使って人のヘルスケアの部分にどうやってアプローチしていくかということも考えられていたりもするんですけど、今お話ししている中にも、日本全国津々浦々の酒蔵さんの皆さんの持続可能性だったりとか、お酒をいっぱい作るっていうことは酒米を植え付けていくことに繋がっているので、じゃあ耕作放棄されてしまった農地のために改善があるのかもしれないとか、あるいは、レモンが我々のヘルスケアに繋がる部分もあるのかもしれないとかですね。

結構事例1つを見ても、色々な地域や社会との関わりしろというか、そりゃあナオライさんを応援した方がいいじゃないかって思っていただけるような、いろんな副次的効果が備わっているというのはありますね。
(参考:J-Startup WEST 選定企業 ナオライ株式会社)

木原:確かに。もしかすると大きく2方向ぐらいあるのかなと思ったのが、元々ビジネスをされようとされていた方が、インパクト・スタートアップを目指すみたいに、事業を拡大していく中で、この事業という過程の中で、例えばこういう雇用を促進できるよねとか、こういう社会的な価値を生み出すことができるよねとか、耕作放棄地の問題も私たちのこのビジネスが拡大していくと同時に解決していくことができるよねということで、ビジネスの成長の中に社会課題解決ができる種みたいなものを見つけて、それをビジネスの中に取り込んでいく形もあれば、社会課題とか地域課題が先に目の前にあって、この課題を解決したいと思っている中で、社会的弱者の方に対する支援をしたいとか、こどもに対してこういう課題を解決したいとか、地域課題が先にあってそれを持続可能な形にするために、できればビジネスという手法でこの活動を広げられたらいいなと思っている方もいらっしゃると思うんですね。

例えば後者の方にとって、どういう視点が必要か。課題が先にあってそれをビジネスという手法を使って持続的にとか、影響度を広げていきたいと思っている方にとってはどういう視点が必要でしょうか。

仲田氏:ありがとうございます。なかなかイメージがしづらい部分もあるかなと思ったので、少し、東京都内のある会社さんが出している事例もご紹介します。

これは福島県の陽と人と書いて「ひとびと」というところの事例です。

福島県の国見町というところで起業されている方なんですけれども、元々衆議院というところにお勤めのキャリアの官僚さん、公務員だったっていう方なんですけれども。そこからリサーチ会社、コンサルに転職され、更にそこで福島の方々と出会い福島の地域と出会って起業されたんです。

東京都内にいるとどうしても労働の残業時間なんかが増えてしまったり、生理不順が起きてしまったりとか、 女性が女性らしく社会の中で働けないという現状に直面して、自分を受け入れてくれた福島の農家さんの持続可能性にも貢献したいということで、この国見町で起業されました。国見町は干し柿の特産地なんですけれども、干し柿って吊るす時に皮をむくのでゴミが出ちゃいますよね。そこから成分を抽出して女性のスキンケア用の製品を開発して、それを売っているというスタートアップの方なんですけれども。

この方々は、地域・都会・福島など、色んなところにいる、地域とかそれからそこで暮らす人とかですね、自分たちとどういう相関関係があるんだろうかっていうのをぱっとよく分かる1枚絵に落とし込んで表現したりしています。

こういうことをやっていると、皆さんよく目の前の地域や目の前のエリア、そこに暮らしている人だったり、あるいはその地域そのものだったり、そういうところにどうしても目が行ってしまうので、逆にビジネスとしてどういう方々に対してサービスや製品をお届けして、収益として持続可能になっていくかっていうところも、一つの地域のことだけを見つめていると、そこまで思いが行きづらいっていう側面もあるのかなと思います。僕も岡山・広島では生まれ育ってるので、ある意味地域あるあるなのかなって思いながらちょっと今お話をしてるんですけれども。

しかし一方で、インパクト・スタートアップと呼ばれる方々からすると、自分達と地域もそうなんだけれども、社会全体との繋がりや関わりしろをこうやってデザインしてみることによって、自分たちがそのソーシャルにとっていいことを通じてビジネスとして誰からお金を取ったりとか、どんな人と共感共鳴をすることによって事業の応援をしてもらうのかとか、そういうものがよりクリアになっていくのかなというところは1つあるかなと思いますね。

木原:面白いですね。確かに地域課題と言われるものの中には、他の地域にも共通するような課題、例えば今地域の中だと人口減少で二次的に起こるような課題、こどもが少ない、高齢者の方が増えているなどがあって、その中で、じゃあ例えば医療とか福祉の問題や教育の問題、インフラの問題とか、そういうもので他の地域でも起きてるようなもので自分達の地域の中に起きているような課題もあれば、その地域独自の人とか文化とか地域資源によって起きている課題も両方あって。

やっぱり共通するような地域課題って、 何か他の地域で既に進んでいるような地域課題を解決しながらビジネスをしている事例を知ると、それを自分たちの地域に取り入れることで自分たちの地域も豊かになっていくとか課題が解決していくってすごくあると思うんですよね。 なので、地域の視点とか社会とか世の中の視点とか、それが日本っていう国だったり世界っていうところでちょっと枠組みを外して考えてみる。自分達の事業活動がどんな風に誰の役に立っているのかの視点を広げてみることも大事ですし、逆に言うと、既に起きている他のいい事例をどれだけ知って、自分達の活動の中に取り入れていくかみたいなこともすごく大事になっていくのかなと思いました。

地域で社会課題の解決と経済的にも成長していこうとしている企業が、私自身は増えているという感覚があるんですけれども、仲田さんとしてはどうですか。増えていると思いますか。

仲田氏:いい質問ですね。あくまで個人的な見解も織り交ぜながらお話ができればなと思いますけれども、ある意味、日本の古来からの企業さんって、どうやって世のため人のために尽くすのかとか、よく言う近江商人の三方よしとかですね。あるいは情けは人のためならずとか。結構、あなたの為に何ができるかとか、世の為・人の為に何ができるかっていう目線からビジネスを始められる方も古来日本には結構いらっしゃると思うんですよね。そういうところにリスペクトを捧げながらお話をするとすれば、地域社会課題の解決と経済成長を目指す企業っていうのが元々日本にもたくさんいらっしゃったと思うんだけれども、それが今の時代になってより脚光を浴びるようになってきたというがふさわしいかもしれないなとは思います。

木原:そうですね。私も地域に来てすごく思うんですけど、息をするのが当たり前のように、事業をされながら地域のためにとか、もしくは社会の誰かのためにって考えてる企業さんって本当に多くて、こんなに素晴らしい社会貢献価値の高い事業をされてるんですねって、外から来て言うと、「そうですか。うちにとっては当たり前ですよ」と、文化的なDNAとしても、当然のことを当然のようにしてるだけですと考えている企業さんも本当に多いなと思っていて。

仲田氏:そうですよね。中小企業さんとかでも、経営理念とか社説とか、会社として何百年も前に定めたミッションがもはやそれを物語っているっていう方々もよくいらっしゃいます。

木原:いわゆるスタートアップとかベンチャー企業とか、呼び方は何でもいいと思うんですけど、新しく物事を起こそうとしている人の中でも、やっぱり日本という風土・文化の中だと、自分たちが儲かればいいとか自分達が成長すればいいっていう考え方ではなくて、周りにいる地域の方の為にとか、未来の為にとか、社会の為にっていう方も多くいらっしゃって、かつ、今より注目されるようになっているのかなと感じます。

––––––– vol.1 終わり

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