「地域で事業成長するために必要な社会性と経済性の両立とは」 -O-GROWTH TALK “Social GROWTH”~書き起こしレポート vol.2~
※この記事は「地域で事業成長する為に必要な社会性と経済性の両立とは」-O-GROWTH TALK ”Social GROWTH”- ~書き起こしレポート~ vol.2です
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木原:仲田さんは国内だけの動きではなくて、海外にも視察などで学びに行かれていたり、海外の情報を取得されてたりしていると思うんですけど、海外の中では社会課題の解決を目指すビジネスや企業は、どんなふうに取り扱われているんでしょうか。
また、日本と世界でその違いがあるのか。そもそも世界ではどういう流れが今出てきてるんですか。
仲田氏:過去2か年度程、フランスのパリにもお邪魔をして、まさにインパクト投資やインパクト・スタートアップを応援している方々ともパリの市内でお話をしたり、あるいはフランスには経済・財務省というのがありまして、日本で言うところの財務省と経済産業省が合体しているような省庁があるんですけれども、そういう方々にも色々お話をお伺いしに行ったりということもありました。
フランスの皆さんが大事にしている理念が1つあって。これが「Solidality(ソリダリティ)」と呼ばれる、帯になって連なる「連帯」という理念を持たれている。これは社会学者さんとかが20世紀の初頭ぐらいに言われていた概念なんですけれども、簡単に言うと、「困った時はお互い様だ」ということですね。
どちらかといえば、フランスの人たちも、「いや、困った時はお互い様だよね、ソリダリティーだよね」っていう国民性とか、それを大事にしようとしているマインドセットが先にあるからこそ、例えば社会や地域にとって大事なこともビジネスとして追求していかなくちゃいけないっていう、自らそうしたいと思う意思というかですね、そういうのもあるからこそ、「フランスのコミュニティっていうのはかれこれ20年これをやってるんだぜ」と、 日本から視察に行った僕に自慢されたんですね。日本人の皆さんも「お互い様じゃん」とか「三方よしだよね」っていう理念は元々持っているので、もしかしたらその部分が世界の皆さんと対話をしていく 1つのキーワードとして、このインパクト投資とかインパクト・スタートアップとか、社会課題の解決と経済の両立を求めていくんだっていう部分が世界の人と分かり合える1つのキーワードになるのかもしれないなと感じた部分はありますね。
木原:確かに。一つは金融的なというか、資金の流れの潮流がやっぱりここ数年で変わってきているのかなと思っていまして。日本の中で、社会にとっていい事業とか地域にとっていい事業って、今まではNPOとか社団とか財団とかでその活動に必要なお金を得る為に銀行さんから融資を受けるかとか、国の補助金や助成金を受けるとか、後は企業寄付とか個人の方への寄付してもらうっていう流れしかなかなか無かったのを、インパクト投資と言われるように、社会的に良いことをしているとか、地域にとって良いことをしてるということをきちんと具体的にどう良いのかっていうことを可視化することによって、良いことをしている企業だからということで投資してもらえるという、新しい選択肢・流れが出てきた。
さらにこれは、日本だけじゃなくて世界的にも起こっていることなのですか。
仲田氏:そうですね。例えばですけれども、去年G20がインドであったりもして、そこでスタートアップ支援のための政府間の話し合いなども行われ、そこで「SDGsにスタートアップほど貢献してくれる存在っていないんだよ」っていうことを政府間の合意「コミュニケ」と通称言うんですけれども、そういう文書でも、英語でメッセージが発信されていたりします。
そして、スタートアップの皆さんがどんなに貢献しているか分かっているからこそ、社会的インパクトの定量化であったり、先程御覧いただいた一枚絵ですね、セオリーオブチェンジ、変革に向けた理論とか図示みたいなイメージでよく語られるんですけれども、そういう一枚絵だったり社会を良くしていくロジックモデルとかを作っていただくことによって、スタートアップの皆さんにもっともっと応援ができるようになるよねということも語られているわけなんですね。日本も国内でこういうことを取り組んでいくべきだと思うし、もっと言うと、地域の中から見つかった諸課題と言うんでしょうか。
これが世界の皆さんと対話をしていく為にはどういうことをしていったらいいんだろうかと。例えば、世界が大分のことを認めてくれるとか、大分の経営者の人ってこんなに素晴らしいということが、世界や社会の皆さんに伝わっていく為には、このソーシャルの軸での翻訳と言うか、見せ方というのも大事になってくるのかなという風に思いますね。
木原:ではやっぱり、社会性の高い事業をされてる起業家さんにとっては、可視化というか、何となく社会にとって良いとか、何となく地域にとって良いだけではなく、よりそれを具体的にする力や見せていく力が必要ということですね。
そして、それを世界もそそうですし、日本の中でも、共通の物差しとして、どういうものが社会にとって良いビジネスとして認められるかというような物差しを理解していくと選択肢が増える可能性があるということなんですかね。
仲田氏:そうですね、ある意味、このソーシャルインパクトで社会的な良さを見せていくっていうのは、一種のマーケティングにもなっているわけです。ブランディングやマーケティングにも繋がっています。つまり、 広告宣伝費に近いものなので、そのままやってしまうとやっぱり赤字というか経費になっていくわけです。
じゃあこれを新しい資金の獲得の手段に繋げていくのか、あるいは、こんなに素晴らしい会社が大分にいらっしゃるなんて、ぜひ僕が就職したいっていう、リクルート人材の確保につなげるのか。あるいはそれより大きな事業会社さんと、大分の町を良くしていきましょうよっていう共通言語として使うことで、事業の提携だったり資本の提携だったり、そういうものに繋げていくのかとかですね。
いずれにせよ、これは自社の皆さんと社会全体との関わりをより多く作っていって、その結果として事業の成長の原動力にしていくということを、また1つ意識しなければいけないのかなと思いますね。
木原:確かに。私自身も起業家支援を10年ぐらいしていますが、やっぱり社会的貢献価値の高い事業で起業しようとされている方にもたくさん出会うんですね。そして、結構最初のフェーズで悩まれるところが、いわゆるビジネス化すること。
特に収益化する・マネタイズするみたいなところで、誰にどんな価値を提供してお金をいただくかっていうところのモデル作りに困ったりとか。もしくは、その起業家さんは物凄く情熱があるんだけれども、組織にしていかないと活動としての広がりが見えない中で、どういう風に人を採用して組織にしていくのか。更にこの事業が本当に社会にとって必要とされる事業なのであれば、もっと広がった方がいいけど、広がる為にはやっぱり自分達ももっともっと成長できないといけないよねって言った時に、人・モノ・金・情報・その全てがやっぱり必要になる。
事業成長のステップごとに凄く悩みがある中で、こういう世界的な潮流、国の中の潮流や選択肢があることを知ること、それから、他の地域で起きている事例を知ること。そして、多分異業種でもいいと思うんですが、異業種なんだけれども、こんな風に両立できているとか、他の異業種の事例があるんだっていうところの一部分をカスタマイズして自分の事業に取り込むことも多分できると思いますし、そういう社会性とか経済性を両立させたいという起業家さん達や、そういう人達を支援したいっていう支援者さん達が「越境」して繋がっていくと、よりその変化のスピードや成長のスピードが早まるのかなっていうのは、お話を聞いてても思いました。
多分、資金調達を考えている方も、社会性の高い事業をされてる方ってお金に困っていたりはするんですけど、調達しようとあまり思っていないような気もするし、例えば社会性とか経済性が高い、もしくはそれを両立させようとしている起業家を支援している金融機関の方であるとか創業支援機関の方であるとか、支援側の方達がどういう目線を持つと、社会性と経済性を両立できる起業家とかイノベーターを育てられると思いますか。
仲田氏:支援者側がということですよね。よくある話として例えばですけれども、サステナビリティ・リンクローンというのを金融機関さんによってはやられているんですよ。
例えばCO2の排出削減の効果がある取り組みをされている会社さんとかに、低利融資を差し上げるなど、制度上結構あったりもするんですけれども、例えばこれのインパクト版をやってみるとかですね。つまり、第三者機関とか社会的なソーシャルインパクトを評価したり、測定できる団体さん等と協力をしながら、例えば大分の教育の問題なのか介護や福祉の問題なのか、色んなものを解決でき得るテーマ設定とかあるいは目標設定ができるとしましょう。
そういうところに対して、CO2とかグリーン系のよく分かり易い指標だけではなくて、雑な社会問題の中に数字を設定していって、それに対して融資を差し上げていくとか。その設計をうまく活用して、投資に、エクイティファイナンスに繋げていくとか。金銭面で言うとそういう努力はできるかもしれないなとは思いますね。
木原:今までの経済合理性重視の金融の潮流だけではなくて、もう少し社会的な価値も含めて評価してもらうことによって、新たな資金的な潮流も作ることができるし、本来で言うと、日本の企業は本当に世のため人のためっていうことをすごく考えている企業さんも多い中で、世界が先なわけじゃなくて、日本ならではの価値観を世界でも同じように共通化できて、注目され認められてきたのかなという気もするんですけど、この辺りどうなんでしょうか。
仲田氏:そうですよね。やっぱり欧米諸外国と比べて円安も進行してる中で、エネルギーや戦争の問題とかもありますけれども、やっぱり日本の経済に対する自信っていうのも、もしかしたら僕たち自身も潜在的に少し失ってきてるのかなっていう気もちょっとしなくもないです。
本当は日本の人たちが古来からずっと大事だよねって思ってきたことや、自分たちがお金を稼ぎまくってそれで本当にいいのかっていう、その価値観の部分ってすごくあるなと思います。これがもしかしたら、さっきお話ししたフランスの方との対話の共感にも繋がった部分ですし、みんなで一緒に、場合によって地域や社会っていう少し抽象的なものも含めて、みんなでより良い未来を手に入れていく為にこんなビジネスモデルって考えられませんかっていう、日本人の提案力っていうそのものが、実はすごくまだまだリスペクトされるべきものなんじゃないかなという風にも思います。
僕は、広島や岡山、瀬戸内も中国地域も大好きなんですよ。元々僕を育んでくれた地域なので。僕達の地域から本当に目の前の地域を見つめて生まれてきたイノベーションもたくさんあって、そういう人達を応援することで、僕達の地域から社会のどういうところまで提案や挑戦ができるのかっていうのを見届けたいと思っています。
僕は昨日から大分に入っていますけれども、大分もとっても素敵なところですね。広島や岡山にも、そして中四国の地域の素晴らしさがあるんですけれども、大分も来てみてとっても素敵なところだって感じました。きっと大分からも、社会や世界に向けて何かこんなことできませんかっていう提案ができることってきっとあると思うんですね。僕達地域にいる人達自身が自分達のビジネスの可能性とか、社会をより良くしていける工夫とか、ビジネスモデルに対する自信を持って可能性を感じていくっていうことも、これからは大事なのかなって思いますね。
木原:確かに。社会の問題や課題を解決しようとされている中で、Oita GROWTH Venturesも多様な事業成長を支援したいと思っていて、自己実現の中で社会とか誰かの役に立つっていう為に事業やビジネスなどの活動をされてる方もいらっしゃいますし、最初は自分自身の為とか自己実現の為に始めたんだけれども、やっぱりこの事業を必要としてくれている方が世の中に本当に沢山いて、自分達が事業成長することが社会にとって良いことに繋がっていくんだっていうことで、より事業成長を目指される方もいます。そして、かつこれが世界の課題であると。
地域の課題は日本の地域の課題としても、同じように世界の課題も解決することに繋がるというところに使命感を持って、地域からローカルtoグローバルで世界を良くしようとしていく起業家さん達もいて、どの起業家さん達も優劣はなく素晴らしいと思うんです。
それぞれのフェーズもあると思いますし、それぞれが大事にしたいことにも多様性がある中で、多様な事業成長を支援したいなっていうのは、Oita GROWTH Venturesでも考えていることです。去年実際はこの3つのGROWTH(Startup/Innovation/Social)でエントリーしてもらったところ、Social GROWTHが一番多かったんですよ。
大分の事業者さんが対象になるのですが、多分7~8割ぐらいはエントリーシートのSocial GROWTHにチェックがついていたんです。それってやっぱり地域の為に貢献したいとか社会に貢献したいという起業家さんが大分には多いってことなんだろうなって思っているんですね。
一方で、やっぱり事業成長する中での悩みが、ビジネスだけで短期的に儲かればいいって考えるビジネスよりも、複合的に問題や課題もあるし、色んな人と連携しないと解決しなかったり、事業として成立させていく難しさとか、事業成長していく難しさもあるのかなっていうのはすごく感じたりしますね。
仲田氏:本当にそうですよね。我々のJ-Startup WESTも、ユニコーンとゼブラ・インパクトスタートアップと呼ばれるような色んな流派の間にある多様性とか包摂性ってめちゃくちゃあるんですよね。僕達の地域もそうなので。それをちゃんと本気で受け止めに行きたいなって思ってJ-Startup WESTを作った部分もあるので、そこはとても同意します。
そしてもう一つ、 未来の時代にも僕たちの地域から生まれたソーシャルイノベーションを残していくために何が必要かなって個人的に色々考えているのもあって、自分たちの地域による自分たちの地域のためそのものと言うか、地域の地域による地域の為だけのものを作ってしまうと、これはなかなか持続可能性が難しくなっていくんじゃないかなという風に思っています。
世のため人のために役に立つデザインができるのかっていうことこそが、未来の時代の社会起業家と呼ばれる人達の腕が問われる部分なんじゃないかなっていうのは凄く思いますね。
木原:ありがとうございます。質問が来ているので読ませていただきます。
『起業家としての質問です。起業家自身の成長や発信の重要性はよく議論されますが、社会の一部である支援者や消費者側の成長や理解をいかに醸成するかという観点での議論が特にビジネスセクターに欠けているように感じます。そのような啓蒙、啓発とビジネスとの理想的な融合イメージを聞かせていただきたいです。』
確かにありますよね。エシカル消費と言われるような、エシカルな商品・サービスって、ある一定の意識の高い層の方々には届くんですが、そこだけだとやっぱりマーケットがすぐに飽和してしまう。世の中においてそういう意識を上げていく為に、支援者の方もそうですし、消費者の方の意識の醸成をどうしたらできるかとかもありますもんね。
仲田氏:そうですよね。難しい問題だと思うし、我々もまさにそれに立ち向かっている部分もあって、J-Startup WESTでやることは主に2つあります。
1つは、セレクションさせていただいた33社のスタートアップさんのために何ができるかっていうのを、経営を応援していくという目線で集中支援をしていくというのと、もう1つがコミュニティの作り込みと、みんなでリテラシー高めていこうっていう、スタートアップの皆さんに対する応援の質を高めていこうじゃないかと、みんなで学び合ってっていうことなんですけれども、その33社の企業さんに対して、我々の中四国の地域のスタートアップを応援していくっていう支援者の皆さんの、どんな支援のやり方があるのかとか、資金のことでの困まりごとや法律上の相談、知的財産についてとか、色んなスタートアップの方のお悩みをどこの誰に聞いたらその問題をお助けできるのかなど知識をお互いに学び合うとかですね。 まさに支援者というお問いかけからいくと、そこをどうやってみんなで学び合ってコミュニティ全体として高めていこうよっていう部分はJ-Startup WESTの一つの命題でもあるので、そこは僕達もやらなければいけないなというのは思っています。
木原:支援者の方の意識の啓蒙というか、意識向上をさせるということですよね。
消費者とかマーケットと言われる市場を見ていると、やっぱり社会的にいいよねとか、地球環境にいいよねという、理解がある人とそうじゃない人がいて。この架け橋について、私が今仮説として置いてるのは、ファンみたいな。楽しい・かっこいい・素敵みたいな。もしくは美味しいでもいいし、かわいいでもいいんですけど、地球環境にいいから買うっていう、そこが先に立って買ってくださる方っていうのは既にいるとして、そうじゃない人達がそれを欲しいと思うのは、地球環境にいいからじゃなくて、単純においしいとか単純に楽しいとかかわいいとか素敵・かっこいいって思うから、それがたまたま後々よく知っていくと地球環境にもいいものであっただとか。
他にも、社会的に貧困層の方の雇用を創出できるものであったみたいなのは、何か一個切り口かなとは思うんですよね。
仲田氏:凄く大事ですよね。ちょっとプライベートな話で恐縮なんですけど、先週東北の山形にある小さな町に知り合いがいたので、旅行に妻と行ってきたんですね。元々旅行に行く動機が僕の友人がいたからそこに行こうということで行ったんですけども。なので最初妻は、「なんでそこに行くんだ」と。でもレンタカーを借りて仙台空港から車で行ったんですけれども、僕の知り合いに出会ったら妻の方が仲良くなっちゃって。そして、そこの地元の山菜とか山形だったのでさくらんぼとかね、広島でもスーパーで買えちゃうっていう食材とかもあったんですけど、その土地のファンになったからここで買って帰ろうっていうのを妻の方がむしろ言ってきたんです。
自分達の地域で採れた素晴らしいものを、どうやってその土地に来てくれた人や、あるいはそれをデジタルで発信していけるっていう技術もあると思うので、どこの誰にどういう手法でもって、どのぐらいの値段で提供するのかなどをしっかり確認しながらお届けしていくって、実は消費者との関係性でも凄く大事なのかなというのを先週実体験しました。
木原:そうですよね。哲学っていうかフィロソフィーみたいなコンテンツもすごく大事で、論理的にこれはAがBだから良いよねと理解できて、そこに良いなと思ってくれる人もいれば、感情的にいいなとかこの人がやってるからいいなとか。
人の哲学って唯一無二だし、とても素敵だなと思ってファンになる人とか色んな人がいるじゃないですか。だから、その起業家が持っている情熱とか視座をどう高めるかもそうなんですけど、やっぱり消費者を変えられるのって起業家が商品やサービスなどで何か提供した時に、消費者がそれに価値を感じてくれて共感してくれた時にマーケットって変わっていくと思うので、そこの共感をどう作れるかっていうことが起業家にもできることであり、消費者側にとっても啓蒙していくかというのはまだまだイノベーションが必要だったり、まだまだ悩んでるポイントなのかなっていうのは思ったりもしますね。
仲田氏:そうですね。やっぱりそれこそスタートアップの皆さんや支援者の皆さんだけでも解決しづらい問題だと思うので、大きな事業会社さんとか、新聞社の皆さんとかテレビ局さんとか、色んな利害関係者と言うんでしょうかね、共感してくれる色んな方々との連携や役割分担の下で、消費者に対しての御提案が進んでいくのかなっていうのは思いますね。
木原:もう1個質問をひろいますね。
『地域で三方よしでしようとされている方々と、スタートアップ、ソーシャルビジネスで事業を行なおうとされている方々との間に使う言葉の異なりを感じることがあります。その中で、ある種レイヤー階層が分かれてしまっている感じがあって難しさを感じています。そのあたりを共同して同じような方向性を見ていくためにどのようなことができるか。』
すごく感じますよね。実体験としてこれは。
仲田氏:本当にそう思います。端的に言うと、自分の親父やお婆ちゃんに今こんなことやってるんだっていう話をして通じるかどうかというような。
木原:とても難しいですよね。
仲田氏:そういう世界かもしれないなと思います。霞が関の経産省の人ともよくお話をするんですけれども、抽象的なカタカナ用語だったり専門的な用語だったり、結構沢山出てくる時もあるんですよね。それを地元の皆さんには分かりやすいようにどうやってお伝えしていけばいいだろうかっていうのは、「地域で生きている官僚」っていうポジション、ちょうど中間(地点として意識すべきこと)なんですよ。 だから、例えば商工会議所の方々とか自治体の皆さんとかにどう伝えていったらより分かっていただけるんだろうかみたいな努力は日々しているし、まさにそういう抽象的な政策とN=1の地元の方との間に立っている行政とか中間支援をされてる方々の翻訳とかもすごく大事なのかなって思います。
木原:確かに、Oita GROWTH Venturesの中でも、昨年大分県内の地場企業さんと採択された起業家さん達を繋げるっていう取り組みを結構していまして。その時やっぱり中間支援者だったり、私たちじゃなくても金融機関さんかもしれないし、地場のまた違う企業さんかもしれないんですけど、やっぱりそこを強めていこうっていう流れというか動きはかなりあるので、それぞれのそのハブになるような人達が、しっかりと意志を持ってやることも凄く大事かなと思いました。
最後に一言、仲田さんから視聴者の皆さんへメッセージいただければと思いますが、いかがでしょうか。
仲田氏:ありがとうございました。今日広島から来させていただいたのも、やっぱり大分県の皆さんが僕達を受け入れてくださったからこそだとも思っていますし、環境省様の定義によるとね、大分も瀬戸内であるということだそうですね。
僕らも日々大事にしているのは、我々中四国の地域っていうのは、 すべての他の地域の皆さんにどれだけのリスペクトを捧げられるか、そして皆さんのために何ができるかっていうのを常に考えています。 僕達は果たして大分の皆さんに何ができるんだろうかって凄く考えているし、すぐお隣りの地域ですから、是非遠慮なく、どうしていったらいいんだろうっていうのを、地域の枠組みを越境してみんなでイノベーションについて考えていきたいなと思っています。
ある意味ちょっと問い掛けとして置いていきたいなと思っていますので、「僕達は大分の皆さんの為に何ができるでしょうか」そして「一緒に地域や社会の課題解決の可能性を是非地域から一緒に探していきましょう」というのを結びの言葉として今日は置いて帰りたいなと思います。ありがとうございました。
木原:ありがとうございました。本当に、地域を越境して色んな事例であるとか知識であるとかを共有しながら、大分の為にとか未来の為に頑張ってるイノベーターの皆さん達を応援していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。
––––––– 終わり