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<後編>大分発・起業家に聞くパネルディスカッション「これから目指すべき“成長”と“成功”とは?」〜書き起こしレポート〜

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木原:では、次のテーマに移りたいと思います。トーク2では、「大分県のスタートアップベンチャー企業として、大分にどのような魅力や可能性を感じているでしょうか。大分県で事業することの意義」について、皆さん大分県発の起業家ですので、ここを聞いていきたいと思います。じゃあ野中さんお願いします。

野中氏:私は大分県で良かったなと思うことが2つあって。1つは起業する上で、アクセラも含めてですが起業支援が充実していると思ってます。私は薬剤師の業界のことは熟知しておりますが、起業という部分では本当にど素人なので、こういった県の事業をすごく活用して今まで歩んできましたので、そういった意味では起業するにはとてもいい地域なのかなというふうに思っています。

あともう1つは、ソーシャルな部分なんですけど、そういった業界の悩みを解決するというのはやっぱり業界側にとっては恥ずかしい部分をさらけ出してしまわないといけないですよね。私が色んなところのピッチで、「大分県って薬学部が無いんで休みづらい環境なんです。薬剤師が少ないんです。」って言って回って、メディアで取り上げられてというのは、本当は薬剤師会からしたらすごい恥ずかしいことだから言ってほしくないっていうところがあったんじゃないかなと思うんですが、それをねじ伏せることなく、好きにやらせてもらえて、尚且つ、ひたむきに私のやってる事業をきちんと見ててくれて、薬剤師会にとって貢献しているよねというところで、理事になりませんかっていうお声かけをいただいたりとか。薬局を一つ買収するというお話もくれたりだとか。そういったところで、その薬剤師会の上の重鎮の方々の器が大きかったっていう、私を受け入れてくれる器が大きかったっていうところはすごくラッキーだったな、ありがたかったなと思ってます。

木原:最初からそういう意味では順調でした?それとも風当たり強かったとか?

野中氏:風当たり強かったです。余計なことしないでくれ、とすごい言われたし、「あなたのところで薬剤師を抱えられると本来だったらパートで来るような案件が少なくなっちゃうから、余計なことはしないでくれ。」と言う方が多かったんですけれども、薬剤師のために私は事業してるんだよというのは言い続けてましたし、よくソーシャルとかそういった業界の課題を解決するというところの人達っていうのは、やっぱり立ち回り方がすごく大事で。
大分は田舎なので、やっぱ東京はガンガン行って多分いいと思うんですけど、大分のような田舎の所っていうのは、やっぱりキーパーソンとなるような人たちを少しずつ押さえていきながら、そういった外野の人たちを静まらせるというか、そういった歩き方っていうのがすごい大事になってくるかなとは思うので、そういったところはちょうどラッキーなことにうまく歩めたかなというふうに思ってます。

木原:それもあれですか、やっぱこう、やりながらですか?想像はできてた感じですか?

野中氏:想像はできてましたし、そういった嗅ぎ分ける能力っていうのは私には備わってました。

木原:それはかなり有利に働いたと。

野中氏:そうですね、もともと病院なので、自分のやりたいことをするにはこうやって歩んでいかなきゃ実現できないって知っていたので、それも起業してからも活かせられたかなというふうに思ってます。

木原:やっぱり大分県、田舎と言えば田舎なので、ある意味のこういうクローズドの環境でそういう業界は本当に立ち回り重要だなって思うんで、これからそういう業種とかで 事業されてる方は、多分立ち回り方は野中さんにご相談いただけたらいい回答があるんじゃないでしょうか。

野中氏:よく移住とかでその地域を盛り上げたいみたいなことを結構やられてる方がいるんですけど、結局なんか地元の人たちと折り合いが悪くなって帰っちゃったっていうケースよく見るので、なんかせっかくね、若い子が来てくれてもったいないなと見ながらすごく思います。

木原:確かにそういう業界もそうですよね。業界というか地域というか、ソーシャルで言うと幅広く、じゃあこれからまた野中さんも後輩とかのためにご尽力お願いします。

野中氏:はい。

木原:じゃあ、鶴岡さん次お願いします。

鶴岡氏:そうですね、大分県もそうです、地方っていう文脈でもそうだと思うんですけど、ビジネスする時にプロダクトアウト型なのかマーケットインなのかみたいな話もあると思うんですけど、その両方とものポテンシャルがすごい高いなというところは感じてます。
僕らは企業様のご支援をすることが多いんですけど、例えばよく東京の同業他社さんがこんなことをやってるからうちでもやりたいってめちゃくちゃ言われるんですね。
それも全然いいんですけど、それだとすごいもったいない状況なんですよね。
大分県も他の地方都市でもそうだと思うんですけど、何が言いたいかというと、もっと内側を見るべきだなというところがあって。
内側、外向きじゃなくて、内側を徹底的に見続けることで、徹底的に見続けて大分でないとクリアできない課題があったりとか、それに対するアプローチがその中で見つかると思うんですね。
なので、徹底的に内側に掘れるポテンシャルが大分県にはあって、掘り続けた結果、おそらくそれが世界中で通用するソリューションが出来上がってる状態になると思うので、大分県もそうですし、地方全体的に内側を見続けなければいけなくて、それをするためのポテンシャルが先ほど野中さんもおっしゃったみたいに、支援者の方がすごい積極的に熱を持って動いて取り巻いてくれる方が多いなという印象が大分県にはあるので、その波に乗ってほしいです。
その内側を掘り続けるポテンシャルがある場所だなというところは魅力に感じています。

木原:ありがとうございます。
大分でさっき自己紹介の時に大分県のアクセラの第1期みたいなところで目立てるみたいなこともあったかもしれないですね。頑張ったら注目させてていただけたり、注目されやすいというのはあります。それも本当大分県ならではなのかな。地方ならではかもしれないですけど、それを受け止めてくれたり、そのステップアップをさせてくれるその土壌とポテンシャルがあるかなというふうに僕もすごく感じてます。ありがとうございます。
じゃあ中村さんお願いします。

中村氏:お2人に共通していることなんですけど、大分県って本当にそういう支援が素晴らしいなというふうに思っているのと、規模感的に応募もしやすいし、すごく恵まれてるんじゃないかなというふうに僕も思ってます。
なぜ大分県なのかということを言った場合に、僕の中では大分の良さって言っても、多分それを宮崎でも熊本でもそんなに同じことを言っていると思ってて、人がいいよねとか、食べ物が美味しいよな、空気がおいしいよねとかいうことは多分どこでも一緒なんですけど、僕がこの大分の日田市で頑張ってる理由っていうのも、そこで生まれて育ったからしかなくて。
故郷だから頑張るというのは、そこに理由も意味もないというか、それを突き通していきたいなというふうにまずは思っております。
鶴岡さんの話にもかぶるんですけれども、地方にはすごくポテンシャルが転がってるんですね。で、僕も色んなことやりたいなというと思った時にわかんないんで、例えば有名な家具産地とか、町おこしやってるとことか工場見学を頑張ってるところとかいろんなところに見に行って何が違うんだろうとか、どういう活動やってるんだろうっていうふうに見に行くんですけれども、結果やってることってそんなに違わなかったりとか、想いが違わなかったりしてて。
だから先ほどね、東京の真似じゃないよっていう話をされてましたけれども、その足元に魅力っていうのはあるんだな、というのは改めて僕らも気づいたんですよね。
でも、その足元にある魅力を気づいてない人も多いし、それを伝えようとする術がわからなかったりというふうなことがすごく思ってる部分ですね。
僕が小学校の頃から憧れてた、東京に宮本茂樹っていう素晴らしい家具職人さんが今御年85歳ぐらいでいらっしゃるんですけれども、その方と大人になって出会って、もう昔からすごいファンっていうか憧れてたのですごく感動しちゃって。まあ会ってみたら、ただの呑兵衛のおじいちゃんだったんですけど(笑)、その方が僕に言うんですよね。
「俺みたいにならないようにな。」みたいなことを言うんです。
どういうことですか、僕すごく好きだし憧れてるし技術もすごいし、認められてるじゃないですか、って言ったら、やっぱり職人としての頑張りとビジネスの成功はまた別だっていう話を彼は言ってたんですよね。

「見てみろ、俺の会社全然でかくなってないだろ」と。「やることやったけども伝えきれてねえんだよ。」みたいなことを言われた時に、僕もそこがすごくキーワードかなとすごく思ってて。
職人さんが頑張ってやってるんだけれども、それがちゃんとビジネスにつながってない、価値につながってない、利益につながってないっていうことが無いようにしないといけないなというふうに思っているので、私どもの地元でやってるのは、やっぱりみんなでその自分の価値をもう一回見直して、それをちゃんと伝える大分県日田市の工場見学会を今やってるんですけど。
そういうことをやりながら伝わって、地場だからできる魅力、東京ではできない魅力っていうのをね、発信できたらいいなと思ってるし、大分県にはそれができるポテンシャルがあるのかなというふうには思っているところです。

木原:ありがとうございます。ほんと大分県にもそうですけど、やっぱり経営者にも、前に突き進む情熱とその伝え方とか、そういうことで言うと俯瞰的に自分たちを見て、そこはある意味テクニカルにも、ちゃんと伝えられるかっていう、経営者ってどっちも行ったり来たり頭の中でもしなきゃいけないので、ちょっとテーマから外れるんですけど、そこもすごく重要だし意識しなきゃいけないところだなと感じました。
自分も意識してたところだなっていうのをなんかちょっと思い出しちゃいました。

あと、中村さんがやっぱりふるさとのために一生懸命やるって当たり前じゃんっていうお話がすごく本質的で好きな言葉だなって思ったんですけど、僕も全国展開みたいなことをしてた時に、なんで大分でやってるんですかってめちゃくちゃ言われたんですね。東京でやってた方が早いんじゃないですかって言われたんですけど、そうかもしんないけど大分でやってんですって、なんかあまり伝わらなかったんですよね。

皆さん結構効率的とか合理的とかってすごく好きなんで、よくそういうこと言われてたんですけど、さっきちょっと鶴岡さんも話してたと思うんですけど、大分で研ぎ澄まされたからこそ全国でも通用するものになったなって僕はちょっと振り返ると今思ってて。やっぱりニーズとかも東京でやってる方が理解されるスピードとか数っていうのもやっぱ多いんですよね。
多いのも分かってたけど、でもやっぱり大分だとなんかちょっと語弊があるかもしれないけど、なんか伝わらないとか、ニーズもそもそも数も少ないっていうことで、僕はメーカーだったのでどうしてもそれは当たり前にあるんですけど、よくその質問を受けてたなと。本当繰り返しになりますけど。

でもやっぱり、ここで磨かれたからこそ、あとやっぱり大分だからこそ、仲間とか応援してくださる方がいたなと。これ最初から東京でやってたらそんなに応援してくれる、支援してくれる方も少なかったかもしれないなって、振り返るとちょっと思い出すんですけど、そうすると大分ってやっぱり良かったなって、なんか今日皆さんの話聞きながら僕もちょっと思い出したりしました。
ありがとうございます。鶴岡さん言い残したことないですか。[笑い]

鶴岡氏:ちょっと2個前の質問のドラゴンボールの例えがあってたかなっていうのを、ずっと悩んでいます。

木原:大丈夫です、大丈夫だと思います。

鶴岡氏:女性はドラゴンボールを見てるかわからないけど。

木原:ググってもらったらわかります(笑)ありがとうございます。
じゃあ次のテーマいきましょうか。

トーク3です。「アクセラレーションプログラムに参加して良かったこと、その後の変化」ということで。皆さんアクセラレーションプログラムの卒業生なので伺いたいんですけど、ラフに皆さんの意見とか、その後の変化と最近の皆さんの状況も含めて当時と今どうだった、どうだよとか、もしくは今でも皆さん事業はそのまま続けられてるので、今ってこんなことで実は困ってるんだよみたいなことも伺えると、皆さんも親近感が湧くでしょうし、こういうことでもやっぱ皆さんも悩まれるんだとかということにつながるかなと思うんで、ぜひそんな話を伺えたらなというふうに思います。
野中さんお願いします。

野中氏:私は2年前に大分県のアクセラレーションプログラムで採択されたんですけれども、当時はあの資金調達をしようという目的で参加しました。
で、その本当に私薬剤師以外のことは全然わからないので、まあこういったアクセラに参加するとそのプロフェッショナルな方々がご意見いただけるアドバイスいただけるというのはすごくありがたかったですし、今2年経過してますが先日もその担当者から連絡があって、東京にこういう事業者がいるんですけど野中さんと有益な関係になりそうだったら紹介しますけど、っていう2年経って今でもこうやってサポートしてくださってるっていう所はすごくありがたいと思ってます。

実際には資金調達はしなかったんですけども、薬局をM&Aする話が出たのでこちらでちょっと資金繰りができそうだなというところでしなかったんですけれども、多分一人でやられてる方が多いんじゃないかなと思うんですが、一人でやられてる方は特にやっぱ相談する相手がいないというところで、こういったものに参加すると本当に適切な方がそこにいて、きちんと回答が得られるというのはやっぱりおすすめかなと思います。

木原:なんかちょっとまだ多分時間大丈夫と思うんで、資金調達っていう話で出たじゃないですか、その資金調達をしなかったっていう判断ってどんな背景だったとか伺えたりしますか。

野中氏:もともとそのやっぱ資金調達するとやっぱりゴールがバイアウトか上場かっていうところしかないので。私はふぁーまっちは絶対売りたくないし、なおかつ上場できる自信があるかと言ったら無いし、でもやっぱりこう事業をスピードを持って回すには資金調達しないといけないのでやむを得ずしようかなと思ってたんですね。でも、薬局を運営することできちんと正しい経営をすれば、きちんと売り上げも上がっていくので、その売り上げた分でやっていこうというふうに考えを改めて、それで受けなかったっていうところなんです。
でも今後、成長する上で必要があればしてみてもいいのかなというふうにも思いますが、私はバイアウトはやっぱりできないなと思ってます。

木原:ありがとうございます。私もそういう意味で言うとそのエクイティという部分ではしてなくてですね。完全に融資だけでやってきたので、やっぱりベンチャー企業って二言目にエクイティの話があるみたいなことってよくあると思うんですけど、その成長の過程とかも目指すもので全然それもありだとは思いますし、僕の場合はですね、その当時も事業として今でこそこの感染対策の重要性を理解していただいてるので理解者が多いわけですけど、当時全然理解されなかったので、 適正に評価もしていただけないなっていう。
株価も含めだったのでやっぱりこれはもう融資だけでなんとか頑張って売上を上げながらステップバイステップでやっていくしかないなという判断だったんですけど、結局僕もM &Aっていう選択になったんですけど、自分がこう選択する時もやっぱり100% 株主だったんで、判断が早かったり判断を邪魔されないとかそういったことも良かったなと振り返ったと思いますね。

鶴岡さんどうですか。全然対極の話でもいいんですが。

そうですね、逆に僕らは多分トータルで4億円ぐらい調達してるので、ファイナンスしてる側なんですけど、エクイティ(ファイナンス)ですね。
なんでしたかを今お話聞きながら考えてたら、イジゲン創業して気づいたらもう資金調達してたっていうのが正しくて。なんでその思考に至ったのかなって思い直してると、当時やっぱ僕もインターネット界隈のコミュニティにいて、インターネット系のビジネスを始めるってなったらもうエクイティファイナンスするのがその定石だろうみたいな空気感とか雰囲気があって。で、何の疑いもなく一番最初に調達したドーガンさんからだったんですけどさん、コミュニケーションして気づいたら調達してたしてたというか、してしまってたっていうのが強いですね。そこがもう分かれ道だと思うんですよ。後悔してるかどうかで言うと全然後悔はしてなくて。
それがあったから今があると思うんですけど、それはそれでいい面と悪い面があって、やっぱり同じ船に乗った方々を、さっきの質問でもあったんですが、成功させないといけないっていうその使命も生まれますし そこが逆に足かせになったりとか身動きが取れなくなってしまったりとか判断をいろんな軸で考えれないようになってしまったりとか、そういう悪い面もあるので、そこは今やられようとしているビジネスで向き不向きかどうかっていうのは1回考えた方が良いかなと思います。僕が今からもう1回やるならちゃんと考えたい。

木原:なんかそこをちょっと知ってほしいですよね。言い方はあれですけど、流されないというか、慣習みたいになってるところもあると思うんで、そうじゃないよというところは気をつけてほしいなと思いますね。

あと、あの中村さん、前ちょっとお話しした時に、このアクセラに「なんとなく応募された」っていうのがあったじゃないですか。そのなんとなく応募された背景というか、今回のプログラムにモヤっとしてる方もいらっしゃると思うんで、なんとなく応募されたけど良かったっていうところもあると思うんですけど、そのなんとなく応募できちゃった背景とかはありますか。

中村氏:そうですね、僕も本当に資金調達とかexitとか全く考えてはなくて。本当に、なんとなくこんなことやりたいなっていう思いだけがあって。
でもね、どうしていいかわかんなかったんですよ。どうしていいかわかんなかったし、なんとなくこういう場があってこういうふうなことしたら面白いだろうなみたいな、ほんと夢物語みたいな絵しかなくて。でもどうやってやったらいいんだろうって思ってた時にたまたまこのアクセラというプログラムが目の前にあって。
それに応募したからどうなるかとかも全然わかんなかったんですよ。
全然わかんなかったし、わからなかったんだけれどもとりあえず勢いでね。
物語はなんとなく頭の中に描けてたんで、それを募集要項に落とし込んで出して、審査会があって熱くなりすぎて、確か会社紹介で15分の持ち時間の内の14分ぐらい終わっちゃって、やりたいことを残り1分ぐらいで喋っちゃって、みたいなことをやったんですよ。
まあ運良くそれが採択されて、ほんと一つ一つ、結構後付けの部分が多くてこんなのもう一回何のためにあるのかとか、どういう手段でやるのかとか、建物を作るっていうとしたざっくりとした目的というか、それは手段であるんですけど、その運営はどうするのかとか、中身はどうするのかと、そういうところを相談しながら少しずつこう青写真を綺麗な写真に変えていったというのが今回のアクセラのすごく効果かなと。

あとはその中で田舎で商売してるので、本当は会えない人とのマッチングをさせてもらったりとかいろんな全然違う業界からの知見をいただいたりとか、そういうところで我々も勉強しながらほんと少しずつそこに近づいていった1年だったかなというふうに思います。その中ではこういうふうにしゃべる機会もすごく多くなってくるので、自分の中のモヤモヤした考えをちゃんと言語化して伝える力がついたというか、自分の言いたいことってこういう言葉が正しいんだなみたいなことが自分の中で固まっていったというのが1年間の思い出ですかね。

木原:ありがとうございます。そうですよね、こういうなんか場がセットされると否応なくやらなきゃいけないから紡げるようになってきますよね。
FABを作るその青写真みたいなやつはなんかその前からあったんですか。

中村氏:そうですね。実はベンチマークがあって、高岡に能作っていう会社があるんですけども、そこに初めて行った時にちょっと感動しちゃいまして。地方の工場がこんなにできるのかと。要は平たく言えば観光工場なんですけど、観光工場とかいう薄っぺらいもんじゃなくて、そのほんと職人さんがかっこよく見えるし、正直鋳物の職人さんて昔はかっこよく思われてなかったらしいんですよ。
今はそれがすごくかっこよく見えるし、その地域にちゃんと貢献されてるっていう感もあるし、その地域のものづくりのハブとしてしっかり成り立ってるような気がしててもうほんとこれはやりたいというのが本当に一番最初の青写真で。それをその家具業界とか地元にちょっと読み替えて行ってという…、本当にばっくりとした青写真でしたけどね。

木原:はい、ありがとうございます。じゃあですね、最後、応募検討していただいてる皆さんにも含めてメッセージをいただきたいと思います。
じゃあ野中さんよろしくお願いします。

野中氏:はい、私はやっぱり相談する相手がたくさん増えたので、それは自分のやっぱ強みの一つになっているかなと思います。なので、(応募を)悩まれてる方はいったん参加してみて損することはないと思うので。それで、100万円 という資金も多分割と制限なくいろいろ使えるんですよね。割と補助金って使ったらダメだよみたいな縛りが結構強くあるんですけど、このアクセラは何でも使って大丈夫だよっていうのが特徴かなと思いますので、参加している意味はすごくあるんじゃないかなと思いますのでおすすめします。

木原:ありがとうございます。事業資金も使用用途広く使えるんですけど、自分たちの資金じゃちょっと今まで使いづらかったけど次のステップに行くためにちょっと背伸びできる資金として使っていただきたいなとは思ってるんですよね。そこは私たちの方でもなんか提案とかできたらいいなというふうに思ってます。じゃあ鶴岡さんお願いします。

鶴岡氏:さっきのアクセラに参加して良かったことがまだ答えられてないのでまずそこを言いますが、僕の人生はアクセラレーションプログラムでできていると言っても過言ではない、会社も個人もですね。例えば会社で言うと、今の共同代表の鍋島って、前身のアクセラレーションプログラム(YAP湯けむりアクセラ)の時にメンターをしてくれていた人なんですね。で、鍋島もそうですし、当時同じく運営してたデロイトにいた池という人間も今一緒に働けているのでアクセラレーションプログラムがあったからこそ今の僕らがあるというところは会社の面で。個人的にも木原さんとの出会いというか、一緒に1年やった経験とか、そういうのが元になって今も本当に、木原さん今日人生初モデレーターなんですけど。

木原:本当に迷ったけどちょっと言わなかった(笑)。

鶴岡氏:本当になんか心の底から頑張ってほしいって思えているのは、アクセラレーションきっかけで一緒にこうなんかチャレンジしたのがあったからかなと思って。で、何が言いたいかというと、今年すごい年だと思ってるんですね。何がすごいかというと、ここに名前にもある通り、大分のベンチャー界のエコシステムの1年目だと思ってます。今までこういうプログラムって、サポート側が県外の会社だったんですよね。それが悪いわけじゃなくてゼロイチの着火をする人が県内にいなければ当然です。
県外からサポートしてもらう必要があると思うんですけれども、それは一巡して当時の1期生だった木原さんが運営側に回るってすごい革命的なことだと思ってるので、ぜひこの革命を一緒に身近で見れるチャンスが今年のアクセラレーションプログラムだと思いますので、ぜひそこに皆さん参加していただいて、皆さんで木原さんを盛り立てることができればなと思っております。

木原:ありがとうございます。

鶴岡氏:頑張りましょう。

木原:そんな応援のいただけるとは思ってなかったんで嬉しいです。ありがとうございます。じゃあ中村さんお願いします。

中村氏:はい。僕らが(採択されたのが)一昨年、2年前でしたね。2年前確かサブタイトルが加速化プログラムみたいな、加速っていう言葉があったんですけど、まさしく僕はそれを感じてて、自分らの力、自分らのできる力って限られてるんですけど、それをこう後ろ押しとか引っ張ってくれる人たちと出会うことによって、スッとこう行き始めたっていうのがこのプログラムの良いところなのかなと思っております。
ワールドカップサッカーの話じゃないんですけれども、見えない景色が見えてくるってね、テレビでよく言ってましたけど、まさしくそれを僕は感じてて。ほんとに見えない、見えなかったんですね。見えなかったものがおぼろげに見えてきて、おぼろげに見えてきたものがさらにはっきり見えてきてみたいな。
その当たり前が日々変わっていくみたいなところ、目線が日々こう少しずつ上がっていって、昔すごく夢に見たことが当たり前になっちゃったりとか、そういう風な1年になるんじゃないかなと。これもまあ何も応募しなきゃ始まらないので、それのきっかけにできるプログラムだと思いますのでね、ぜひこぞって参加していただければと思います。

木原:ありがとうございました。本当に皆さんからのメッセージ本当にありがとうございます。僕今までこうプレゼンとかピッチとかたくさん出てきたんですけれど、モデレーターってまた立ち位置が違って、今まで自分の好き勝手だったんですけど、モデレーターとして皆さんの話をちゃんと聞いて、当たり前のことですけど難しいなっていうか、難しいなとか面白いなっていうか。
最初ちょっと緊張したんですけどだんだん話していく中で、すいません、リハにないようなこと聞いたりしちゃいましたけど、すごく僕も今日楽しめましたし、なんか皆さんにとってもいいメッセージになったかなと思いますのでとても良かったと思ってます。本当今日ありがとうございました。皆さんありがとうございました。

––––––– 後編 終わり

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