レポート

<前編>大分発・起業家に聞くパネルディスカッション「これから目指すべき“成長”と“成功”とは?」〜書き起こしレポート〜

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ではここからパネルディスカッションをしたいと思っています。
「これから目指すべき成長と成功とは」ということで、まずはトーク1「それぞれどのような成長を目指しているのか。どのようなことを成長と捉えているのか」ということを皆さんに聞いていきたいと思います。じゃあ最初に野中さんからお願いします。

野中氏:うちは薬剤師業界の課題という部分で事業を回してますので、弊社の「ふぁーまっち」というアプリが社会的に貢献できているかどうかというところが一番の(成功の)指標になってくるんですが、どうしてもそういった部分っていうのは数にできないんですよね。
うちも今さっき600日お休みを生み出しているという風に書いたんですけど、1マッチングでもその重さがちょっと違くて、お休みを取りたいというところの1マッチングと、やっぱりコロナで全滅してる薬局に誰を送り込むという一マッチングはやっぱり全然違う重さなんですけれども、普段何回もできるふぁーまっちのアプリだったり、そういった何か災害の時の最後の砦みたいな感じの仕組みというか、そういった部分で日常使いできるような仕組みになれるようなところを目指してます。

木原:はい、ありがとうございます。何か(ふぁーまっちについて)良い噂を聞いたという話もありましたけど。

野中氏:そうですね、薬剤師さん達って実は私が会ったこともないような秋田の薬剤師の人が鹿児島の薬剤師に紹介してくれて大分にやってきて大分で今働いてくれたりとか、そういった感じで私の知らない誰かがふぁーまっちのことを営業してくれているのは一つの成長の過程なのかなとか思ったりもしますし、うちはまだまだというか、営業はほとんどしてないんですけども、先週も週3人ぐらい登録があったりとか、勝手にこう自動的に登録してくれる薬剤師さんが多くなってきてるので少しずつやっぱり成長してるんだなというのは実感してます。

木原:営業しないで広がっているって一番すごい、素晴らしいことかなと思うんですけど、僕も以前の仕事ではめちゃくちゃ最初営業もすごく頑張ってたんで、やっぱりこの 考えとか想いとか、そういうところが伝わってるんだろうなっていうふうにすごく感じますね。

野中氏:そうですね、やっぱりインターネット上にそういった自分の想いとか、こういったところでしゃべったりするというのはすごく大事なんだなぁと思います。

木原:ありがとうございます。じゃあ次は鶴岡さんお願いします。

鶴岡氏:はい。僕らの場合はですね、あの昨年末のM&A前後で結構この成長というワードの意味合いが違ってきてまして、M&A前は本当にピュアなスタートアップとして存在していたので、どちらかというと自己中心型で僕らの成長をいかに最短で最大化するかというところにフォーカスしてたんですけれども、M&A後はですね、その意識も当然ありつつなんですけれども、西日本フィナンシャルホールディングスのグループに入ったことでの役割がそこに追加されて、それが先ほどのミッション、あらゆる人のポテンシャルを最大化するというところにつながるんですけれども、今はこの成長という要素に関しては自分たちというよりも、お客様をいかに成長させるかというところを一番大切に捉えてます。
お客様の成長と我々の成長がいかにリンクしているかというところと、お客様のポテンシャルを最大化するために私たちを選んでいただきたいので、そうであるためにお客様にとっての最適解であり続ける努力というところが僕たちにとっての成長の部分に当たるのかなと思ってます。

木原:全然リハとかない質問なんですけど、皆さんの事例もなんかある意味の成功とかって感じてらっしゃると思うんで、逆に自社の成長ってところでなんか一番大変だったことなんかがあればシェアしていただきたいなと思うんですけど。

鶴岡氏:そうですね、全部ですね。
[笑い]

木原:すごくわかります。
いろいろ頑張れる方にも良い部分だけというよりは、大変な部分ってここにいる皆さんあると思うんですけど、成長する過程で相当皆さん苦労されているなというのは思っていて。なんか今日のテーマじゃなくても、ちょっとどこかで皆さんにそういうことが伝わるといいなとは思ってますね。

逆にこのM&Aという経験をされて、その後そのままグループの社長を引き継いでますけどどうですか。気持ちで変わった部分とかありますか。

鶴岡氏:気持ちで言うとなんて言うんですかね。ドラゴンボールで言うと「精神と時の部屋」ってあるじゃないですか。

木原:知ってます。

鶴岡氏:めっちゃ体が重くなって、修行できる時間も短いし。それがM&Aみたいな感触で、そこから外に出てパワーアップした自分を実感できる時間帯みたいな感じですね。
スタートアップの時って色々皆さん状況はあると思うんですけど、なんか僕の場合は2人の人格があったなと思っていて。起業家代表としての自分と、個人としての僕がいて、超単純なところで言うと、自分で代表をしながら個人で会社の借り入れの保証人してたみたいなところもあって。
例えば会社としてはGOを出したいんだけど、その個人としての自分がブレーキ踏んじゃうみたいなところも一部あったのかなとは思っているんですけれども。M&Aの後はそのブレーキの部分がないので、ブレーキが壊れてしまっている状態が今っていう。

木原:許容できる組織だからこそできることでもありますよね。

鶴岡氏:はい、リスペクトしていただいているのも感じますし、僕らもちゃんとリスペクトを相手にしながら、お互いいいシナジーが今生み出せている状態だと思うので、すごく色々とやりやすい状況ではあります。

木原:ありがとうございます。じゃあ中村さんよろしくお願いします。

中村氏:リハとした話と違う話になるかもしれないですが、思い返してみると6~7年ぐらい前に僕はいきなり顔面麻痺っていうのになって、半分顔が動かなくなったことがあるんですね。出張から帰ってきたらいきなり顔がお茶飲んでるのにこぼれるようになって、何だろうと思って。
僕すごく健康体だったんで、そうなった時に結局完治まで半年ぐらいかかったんですけれども、なんか1ヶ月2ヶ月ぐらいなんか躁状態って言うんですか。
夜中2時とかにパッと目が覚めて、多分「死」っていうのを感じたんでしょうね。
2時とか3時に目が覚めてそれから全く寝れずに、あれやってない、これやってないということをすごく思い始めたんですよ。俺これやってみたいなと思っただけで、やってないなみたいなことをすごく思って。その時に、それ今やっとかないと、いつかどうなるかわかんないなってすごく思ったんですよね。
それで、思ってたことをいつかやろうとか、お金ができたらやるとか、時間ができたらやろうとか思ったことを、色んなことも身近なところからやり始めたっていうのはきっかけだったのかなって思い返しましたね。そんなことがありました。

その時に先ほど言った、どうやったらかっこよくできるかみたいなこともやりたかったので、色々やっていったんですけれども、その中で今回の僕がやったこの事業っていうのがやっぱりそれなりに時間もお金もかかる事業だったのですぐにはやれないなんて思ってたところはあるんですけど。
それをやったからどう成長するということではなくて、とりあえずやりたいことやらなきゃいけない事ってやった先に成長があると思ってたんで。
成長したいというのが先じゃなくて、まずやらなきゃいけないことでやりたいことというのをまずやっていこうという中に、職人さんのかっこよさを可視化するというところがありまして。
それでそう思ってた時に、そのコロナが出始めまして、ちょうど僕展示会に行ってた時だったんですけど、展示会に出展してたらお客さんが半分以下しか来ないとか、入場の時にいろんな検査があってとか、なんか急に雰囲気が変わってきて。
で、それから売上の方も半減してどうするよってなった時に、なら下がるか。留まるか、前に進むかって考えたんですけれども、始まったばっかりだったんでコロナがどうかわからなかったんですけど、いつか終わりがあるという風に仮定するとしたら、その終わりがある時にどんな立ち位置にいるかというのはすごく大事だなとすごく思って。だったら下がるより前に行こうと思って前に進んだというのが、コロナがスイッチになったっていうふうにすごく今思いますね。

木原:ありがとうございます。中村さんのお話も聞いていてこう、やっぱり手段と目的みたいなやつを結構こんがらがってる方がいらっしゃるというか、よく僕もなんかいろんな方の話聞いて、起業家とか起業したい人の話を聞いてすごく感じるんですよね。

そこの(手段と目的を混同しない)大切さみたいなことも今日の話の中でお伝えできたらなと思うんですけど、多分皆さん、そういう課題もそうだし、想い先行というか、僕も想い先行で良いと思っていて、テクニカルなことなんて後からついてくるなって。自分も不器用な方だったんで、テクニカルにはいろいろ考えられないし、構築できなかったんですね。
でもこの想い先行で頑張ってたら、その想いに共感してくださって伝わるとか、さっきの野中さんの営業してないという話もそうですけど。起業家にとってもそういうことが一番大切なんだろうなと思いました。

中村さんが職人さんをかっこよくっていうところも、やっぱりそういうところが本当に重要なんだなと。それが伝わるのが、例えばCRIATIVE BASE FABも、あそこでマネタイズを考えてる感じしないし、逆にすごいなって。
ああいう作り方というか、単純にマイナスだけ考えたらああいう投資はできないかもしれないなとか、それも結局後からついてくるなっていうふうにすごく感じました。ありがとうございます。

––––––– 前編 終わり

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